オペラの原点:バロックオペラの楽しみ

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麗しのイタリア古典歌曲:ロッティ作曲 美しい唇よ、お前は言ったのだ

パリゾッティは、古典歌曲集に収録する歌を集めるのに、図書館で古い楽譜を探して回ったようで、出所不明の曲が結構あります。しかし、そのような歌を丁寧に拾い上げて行ったところにパリゾッティの功績があるのではないかと思います。

古典歌曲集に収録されたことから、今も歌われている、この曲は、ベネツィア生まれのアントニオ・ロッティ(1667-1740)が作曲したことはわかっていますが、作曲された年代も、何のために作曲したのかもわかっていません。ただ、その詩よりロッティの初期の田園オペラ"La Ninfa Apollo"(1710年)のアリアであることが窺われます。ロッティは、一時、ベネツィアで最も人気の高いオペラ作曲家だったのです。

この作品は、魅惑的なメロディと随所に配された装飾音が、この歌に優美さを与え、愛の美しさと喜びを表現しています。


美しい唇よ、あなたは言った
やさしく愛らしく「はい」と、
それは私の心からの喜びだ。

彼の名誉として
アモールは口づけひとつで開けてくれた、
あなたの喜びの甘い泉を、あぁ!

Pur dicesti, o bocca bella,
Quel soave e caro sì,
Che fa tutto il mio piacer.

Per onor di sua facella
Con un bacio Amor t’aprì,
Dolce fonte del goder, ah!

参考:Cecilia Bartoliの歌で決まりですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7eOepwQyVYU